闇黒日記?

にゃもち大いに語る

日本叢書大量げっと

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和洋会。東京古書會館の古書展。古本市カレンダーのいしゅういち氏なら大外れとか言ひさうな古い本が多い充實した古本市。いしゅういち氏の好みに合はない古書展を、古書會館と言ふか業者の人にはどんどんやつて貰ひたい。


今囘は俺個人にとつては大變な大當りで、日本叢書が二十二册固まつて出てゐたのを見附けた。こんな物を買ふのは戰後直後の日本人か俺くらゐなもので、今は最う戰後ではないから即ち俺一人で分捕り放題。中谷宇吉郎が何處かで「適切な企畫」と褒めてゐた生活社の叢書で、どれも三十二ページ程度の薄つぺらい册子。戰後直後の非道い時代だつたからこんな本が適切だつたので、今ではこんなものを出版しても御金を出して買ふ人はゐないだらうし、古本でも一册百圓にしかならない。

實は寫眞の頃は既に「良くなつた」時代のもので、敗戰直後の一番非道い時期には大判のざら紙に刷つて、疊んで、それで「本」として賣つてゐた。その後、いくらか世情も落著いて、それで「造本」も「それなり」になつたと云ふ事だ。


もつとも、昭和二十年頃にぼろぼろの「本」を出して、その後増しな「本」にしたと思つたら、間もなく生活社はなくなつてしまふ。(今ある生活社は當時の會社と別、の筈)一方、世の中も敗戰から數年經つて、ますます非道い状況になつて、本の紙も一般に昭和二十三年前後が一番惡い事になる。