論語の例の件
142~143ページ。
「全體至極」の注。
全體至極云々 憤ると樂しむと相反して居る。聖人は憤りを發しては便ち食を忘るるに至り、樂しみては便ち食を忘るるに至る。是れ兩邊各々其の極に造るのである。寒には寒の極に到り、暑には暑の極に到るが如くである。故に全體至極と云ふのである。兩者循環して己まず老の將に至らんとするを知らざる所以である。此は聖人の心は天理に純で別に他の嗜好が無い。自然に之を學んで厭はざる所以である、故に純なれども亦己まずと曰ふのである。
(原文のまゝ)