議論は互ひに相手を認め合ふ事によつてのみ成立つ

「議論をする為に、相手を認めなければならない」——七鍵氏は、こんな単純な事を認めたがらない。「相手を認めたくないから、議論をしない」、七鍵氏はさう言ふのだ。傲慢にもほどがある。

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「他人を悪者にすれば自分は善人になれる」理論。七鍵氏の「哲学」に必ず見られる「理論」だ。
今回も七鍵氏は散々他人を罵倒して、憂さ晴らししてゐるが、それがただただ「みつともない」だけなのは如何なものか。「眼を剥いて鼻を剥いて口角に泡をまきちらしながら何か言つて」ゐるのは七鍵氏自身だ。

議論は異る意見を持つ者同士が、意見の正当性を示し合ひ、それによつて第三者に判断の材料を提供しようと云ふものだ。互ひに互ひを認め合ふのは大前提であり、そのためには予断をもつて相手の意見を判断してしまつてはならない。七鍵氏のやうに、自分の意見は正しいのだから他人の意見は下らないに決つてゐる、よつて自分に意見する者は相手にするに値しない人間の屑でクレーマーである、と考へて議論を回避しようとするのは——少くとも公共の場でまともな人間が取るべき態度ではない。

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議論とは、お互ひに認め合つてゐるそれぞれの間でしか成り立たない行爲である。

だから七鍵氏は「相手をするにも値しない」と「私が判斷」する事によつて、「議論を回避できる」と主張する。理屈にしてももう少し一般性が必要でないか。「私」が「判断基準」だと言ふのは傲慢すぎる。

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http://www.7key.jp/diary/list/2009_10b_15_01

自身のことではないにも關らず何かについて怒つてゐる者、これは殆どの場合――ほゞ間違ひなく――クレーマーである。

http://www.7key.jp/diary/list/2009_10b_15_02

クレーマーとは、理ではなく利を求める者。利とは、自身の利益であつて、他人の利益ではない。

明かに矛盾した主張だが、七鍵氏は「利があるにも關らず、自身の利を巧妙にひたすら隱さうとするため、クレーマーには注意が必要。」と、もつともらしい説明をして自己を正当化する。「隠してゐる」と言へば何とでも悪口が言へるから、「理屈」としてはなるほど「隙がない」。
しかし「隱」してゐるかどうかを、どうして七鍵氏は「判断」できるのだらう。全部「私には能力がある」といふ前提で七鍵氏は語つてゐる。そこまで自分の有能性を平然と主張できるといふ感覚を私は疑ふのだが。

まともな人間なら、自分で自分をそこまで高く言ふ事はない。普通は、才能があつても、謙遜するものだ。七鍵氏の恐ろしいのは、決して謙遜しない事だ。七鍵氏は、普通の人間がするやうに、自己を隠さない。隠さないどころか、誇示する。そして、七鍵氏は、他人が自己を「隠す」行為を、嘲笑し・罵倒して、自分に都合良く利用しようとするのだ。
しかし、公共の場で「自分、自分、自分」と自己を主張する奴がどこにゐるか。七鍵氏のやうに、露骨に自己を主張し、自己の偉大さを公言する奴は、馬鹿以外の何者でもない。

★自分の事を自分で「偉大」だと思はない・主張しない人間だからこそ、相手の存在を認め、意見を戦はせ合はうと考へるのだ。
議論をしようとしない人間は、自分こそが正しいと確信し、ただただ傲岸不遜である——だからこそ、傲慢に陥らうとする自らの悪しき習性を何とか抑へ込まねばならぬと思つてゐる人間は、他者を認め、他人の意見を尊重し、それゆゑ、自己の信ずる主張を他者による検証を経て正当であるかどうか試さうとする。
議論をしようとするのは、自己の意見に絶対の自信も価値も「自ら認めてはゐない」からであつて、他者の判断を信頼するからだ。
七鍵氏は、他人を全く信用してゐない——それは「自分だけは信頼できる」と言つてゐるも同然の態度であり、「自分は信頼できる偉大な人間なのだ」と公言する尊大な態度であると言つて良い。人間は傲慢の罪にだけは陥つてはならない。