闇黒日記?

にゃもち大いに語る

ビジネス書つて、讀む意味あるの?

今の人はなぜビジネス書に惹かれるのだらうか。半年も壽命が無いのに。そんな本を一生懸命讀んで、何か學べるのか。
大枚はたいてビジネス書を新刊で買つてゐる人には、頭の惡さう、と云ふイメージをいだいてゐる。多くのビジネス書は、出てから半年も經てば、BOOK OFFで百圓で買へるやうになる。
ビジネス書を出す人も、その本が本屋の店頭に並び、「生命を持つてゐる」のは精々一箇月間くらゐだ、と承知である。ビジネス書は、書店の店頭から消え、新刊でなくなると、一切の價値を失ふ(新刊は普通、店頭に出て、賣れなければ一箇月で返品される)。
古本屋に流れると、ビジネス書はたいてい店頭の百圓均一ワゴンに放り出されて埃まみれになるか、そもそも賣り物にもならないと看做されてさつさと潰されるか、のどつちかである。本として價値を認められてゐない。

創作を見下したり、ラノベを見下したりする人は、それらの中から名著と呼ばれる作品が屡々出て來る事のある事實を見逃してゐる。ラノベからはたまに「傳説の名作」が出てくる。その手の本は、品切・絶版にならうとも、欲しがる人が何時までもゐて、彼等によつて探求され續ける。ビジネス書からは、年を經ても、傳説の名著と呼ばれるやうな本は先づ出て來ない。古ければ役に立たないと簡單に判斷される。
20年前のラノベは、今でも樂しめる。20年前のビジネス書は、今となつては屁の役にも立たない。ラノベは文藝の仲間であり、ビジネス書は赤本の仲間である。

最新のビジネス書を一生懸命追ひ掛けてゐる人よりも、最新の週刊少年ジャンプを一生懸命追ひ掛けてゐる人の方が、まだしも増しだと思ふ。ビジネス書に出てゐる教訓も、ジャンプのマンガに出て來る教訓も、たいして違はないからだ。なら、讀んで樂しいだけ、ジャンプの方が増しである。
――ビジネス書を買はうとしてゐる人に忠告したい。あつと言ふ間に古びる本なんて、買ふのはおよしなさい。代りに古典を買ひませう。何百年も生命を保つてきた本ならば、古くても古びてはゐませんから。