戦車道路その一

三月十六日撮影。

相模原は昔は軍都で、今でも米軍基地がある。かつての陸軍造兵廠で戰車を造つた事があつて、そのテストの爲に町田の山の中にうねうねと道路が出來てゐた。
平時には餘り役に立つ事が無くて永年ほつたらかしにされてゐたのだけれども、ほつたらかしの期間が長かつたもので、貴重な自然が殘る場所となつてしまつた。多摩ニュータウンの開發の手がのびて周邊はすつかり住宅地なのだけれども、一往自然保護區になつてゐて林の中は立入禁止になつてゐる。戰車道路の周りは、以前の面影が殘つてゐるとは言ふ事が出來る。

けれども、面影は本當に「面影」でしかなく、木々の隙間から住宅やらバスの車庫やらが覗けてしまふ。前は泥だらけの森の中の道を入って行つて野苺やら何やらを摘んだり出來たのだけれども。