闇黒日記?

にゃもち大いに語る

『日本文法事典』(有精堂)より

北原保雄鈴木丹士郎・武田孝・増淵恒吉・山口佳紀編『日本文法事典』(昭和56年12月20日初版発行・有精堂出版)の「仮名遣い」の項に以下の記述がある。
歴史的仮名遣い」は、契沖によってその基礎が固められた。契冲の仮名遣い観は、『万葉集』や『古今集』などを研究するにあたり、それまでの、「古今伝授」のように因習的な態度を排して、科学的・実証的な方法をとる中から生まれてきたものであり、『万葉代匠記(初稿本)』(貞享四年(一六八七)年成立)の「総釈」に、すでにその考えが述べられている。その主旨は、『万葉集』の仮名の用法は、『日本書紀』『続日本紀』『延喜式』『和名抄』などの古文献の仮名の用法と一致するが、世に行われている仮名遣い(=「定家仮名遣い」)とは一致しないから、古代の文献の用法に従うのが正しい仮名遣いである、というものであり、これは、文献中心主義的・実証的な考え方といえよう。(以下略)
執筆は犬飼隆氏。