闇黒日記?

にゃもち大いに語る

福田恆存

福田恆存讀書會「當用憲法論」その二

承前。テキストは麗澤大学出版会版福田恆存評論集第八卷所收の『當用憲法論』。 「NHKの座談會『憲法意識について』に出席したエピソードは、まあ落語の枕みたいなもので、導入部だから、ここからが本題と云ふ事になるわけだ」 「ああ。ぼくが不滿をぶちまけ…

福田恆存讀書會「當用憲法論」その一

「今囘から福田恆存入門と言ふ事で、福田さんの著作を讀んで行かうと思ふ。最初に採上げるのは『當用憲法論』。丁度今讀んでゐる人が多いやうだし。麗澤大学出版会版福田恆存評論集第八卷を使ふ」 「福田恆存なんて、欽定憲法が大好きな天皇主義者・君主獨裁…

中村保男『絶對の探究 福田恆存の軌跡』(麗澤大學出版會)より

實を言ふと福田恆存の著作をまともに讀んだのは最う十年以上も前になる。大學在學中から讀み始めて、卒業して何年かの間――福田さんの著作を購ふ度に讀んでは感嘆してゐた。 が、既に何年も經過して、私の記憶力が大變弱いものであるのは、多くの人の知る通り…

福田氏を利用する喜六郎に騙されない爲に

http://pink.ap.teacup.com/kirokuro/145.html 福田恆存の有名な芸術論「藝術とは何か」が、中公文庫から発刊されるそうです。 唯一不安なのは解説の執筆者だけど、まーいいか。 ネット上でこの芸術論を剽窃して、あたかも自分の論であるかのように開陳する…

福田恆存が「劣化した」としか見られない哀れな讀者

福田恆存は、敗戰直後から評論を本格的に書き始め、注目を集めた。その後、平和論爭で再び注目を集める。この頃からの福田氏の言動を、しかし、多くの人が、著しく低レヴェルなものと看做す傾向がある。 tanzenと云ふ人物が、「福田信者」の俺を嘲るのに、何…

福田恆存は「稼ぐ」事に興味があつたと主張する異常な人物――汝の名は「福田恒存をやっつける会会長」

『増補版 私の國語教室』(新潮文庫)より。 第三章。 ……。雜誌や單行本の編輯者のなかには、たくさん賣るためにはどうしても「現代かなづかい」にしなければだめだと思ひこんでゐる人がをりますが、言ふまでもなく、これは單なる先入觀に過ぎません。試みに吉…

なんでこんなにややこしくするんだよ

憲法の話でも國語の表記の話でも、全部同じ。なんでこんなに話をややこしくするんだらう。俺は何でもシンプルであるべきだと信じてゐるし、シンプルに説明出來る事は正しいと信じてゐる。だからHTMLはISO/IEC 15445:2000を使ふ。 現在の宇宙論だつて信ずる。…

福田恆存評論集 第三卷 發賣中

http://www.rup.reitaku.jp/mokuroku/shoseki_148.htm 福田恆存評論集 第三卷『平和論にたいする疑問』〈第4回配本〉(麗澤大学出版会)が發賣。例によつて全集からの再録。

今日の古書展

東京古書會館の古書展。今囘は城北展。 東西文庫版の福田恆存『近代の宿命』を拾つた。五百圓。 ほかに津田左右吉『日本の皇室』、アラン『經濟隨筆』(非賣品の正字正かな版)、鈴木成高『ヨーロッパの成立』を買つた。既に持つてゐる筈のものばかり。何處か…

こんなに買つたよ

餘り人氣のない書籍をこんなに買つたよと言つて見せびらかしてみる。 エーヴ・キュリー著・福田恆存譯『戰塵の旅』×三册。福田ファンでもこんなコレクションをしてゐる人は皆無だらうと思ふ。 飜譯全集で持つてゐるのだけれども、安い時にウェブのネタ用に買…

教育の普及は浮薄の普及なり

『福田恆存評論集第八卷 教育の普及は浮薄の普及なり』(福田恆存著・麗澤大學出版會)がめでたく發賣され、書店に並んでゐる。神保町の東京堂書店では二階の評論のコーナーにある。一往平積み。 ちなみに買つた。

エーヴ・キュリー『戰塵の旅』を讀みつゝある

先日、田村書店の無料箱で拾つたら手持ちの『戰塵の旅』が三册になつたので、諦めて讀み始めた。著者エーヴ・キュリーはポロニウムやX線の發見・研究で知られるキュリー夫人の、科學者にならなかつた娘。第二次世界大戰の間、戰時特派員の資格でアフリカ、近…

生き甲斐は必要ないか

http://simple-u.jp/pdone.php?id=683 ひろさちや曰。 わたしなんか戦前は「天皇陛下のために死ね」と教わったのですが、戦後になって天皇は、「俺は神ではないぞ」と宣言しました。じゃあ天皇を神と信じて死んだ者は犬死ですか。世の中は、そのときそのとき…

「次元」1948年9月號

東京古書會館の古本市にて購入。 「次元」1948年9月號。福田恆存の戲曲「最後の切札」を掲載。 卷末「編輯ノート」に以下の記述がある。 今月は福田恒存氏の戲曲にあはせて新人として茂原二郎氏の評論を掲載する豫定で、その手筈をしてあつたのだが、編輯時…